自己受容をするという事(長いです)

2019/10/08 NOTEでの記事


先週、久しぶりに会う友人と 今夏最後のビーチ・デイになるであろう日をエンジョイしに RAMONESの曲で有名な、ロカウェイビーチに早起きして向かいました。


その友人は、同い年だったこともあり かれこれ10年ほど前にとても仲良しになり 美容師であるその友人に、黒髪のおかっぱを HEY NOWの頃のシンディ・ローパーのようにして!と まっ黄色に染めてもらい (これが私のニックネームの由来。いつ見ても大好きなビデオ ♥)



一時は一緒に旅行をしたり クリスマスやサンクスギビングはその子の実家で過ごすこともある程 しょっちゅう一緒にハングアウトしていたのですが 職場が変わったり、住むエリアが変わったり、お互いに恋人ができたり どちらかが別れた頃に一方は新しい仕事が始まったり、、、 などのすれ違いもあり なかなか昔のようにしょっちゅう会えはしないものの たまに連絡を取ったりごはんを食べに行ったりしては、色んな話ができる 大切な友達の一人です。


10月なのに、ビーチで温度を見たら、奇跡の98度(36.6度)。 この季節のニューヨークではめずらしい天気でした。 たまたま一日だけ夏日に戻るその日にお互いのスケジュールも合った為 2日前に約束してめでたくこの奇跡のお天気を気持ちよくビーチで過ごすことができました。


私はあまり人付き合いにマメでない性格が30代になり拍車がかかり 一人一人に応じた距離感を持って関係性を築くタイプで 久しぶりに会う友人というものは、その時に応じて 良いことにせよ悪い事にせよ、 何か違う自分を気づかせてくれたりすることが多かったりします。




私のアパートから、電車とバス2本を乗り継ぎ 1時間半かかってようやくロカウェイに到着。 ビーチって人が見つかりづらいから 携帯電話がある時代でよかった、と実感しながら 先についていた友人の横にタオルをしいて寝転んで 会話をしたり波を眺めたり 海に入って泳いだりを繰り返して 結局5時間ほど過ごしました。


夕方になる少し前に、何かの会話の流れで、私は彼に質問をしました。


 「今まで生きていた中で一番つらかった時期っていつ?」


友人 「結構前だけど、3年くらい付き合った大好きだった彼氏が自分の親友と浮気して付き合いだして、彼氏と親友両方失った時かな。それで同時期に親ともうまく行かなくなって家も出されてホームレス状態になった時に、ゲイバッシュ(同性愛を理由に批判、暴行される事)で暴行されて、病院送りになって死にかけたの。 それで住む所がないから別の友達のアパートの床で寝かせてもらってたんだけど、その友達は恋人ができたばかりだったから、今考えたらそんな長い間泊まらせてくれてただけで優しいと思うんだけど、なかなか自分にも構ってくれなくて、もう全ての事にネガティブになってたからかなり荒れてたよね。ドラッグやお酒に溺れていたし。 あ、しかもその年に911も起こったんだったわ。」 (※911の事件はまたいつか書くかもしれないけど、いまだにニューヨークの人に暗い影を落としています)


 「・・・」 (びっくり)


友人 「レイコは?」


 「・・・うーん、私もそれなりにきついこともあったと思うけどなんか今の話聞いたら全然たいしたことないわ・・・。 祖父母が一気に亡くなった時期、他にもお金のトラブルとかあってしばらくけっこう精神的にやられてあまり人と社交できなくなったりしてたけど、仕事と家の往復以外はほぼずっと絵を描いててそれが自分なりにセラピーになったり、その時描いた絵で初めて個展もできたし、その時期に今付き合ってる彼がすごく支えてくれてたし、今考えるとそんな大変じゃないよね・・・。」


友人 「でも自分もあの一年を過ごした後、もうとにかく自分が変わらなきゃと思えて、仕事に精を出して手に職もできたし、今はすごく裕福ってわけじゃないけど自分用のアパートも買ったし、海外旅行も自由にできるし親とも仲がいいし、今はシングルだけど自分の勝手にできるから本当に幸せだよ。 相手に合わせるのが本当に苦手で自分勝手だって自分で知ってるんだけど直せないから、自分で自分を甘やかしてるの。別に誰にも迷惑かけてないし、誰かにハッピーにしてもらわなきゃっていう考えがなくなったから、今は本当に自由で楽しいよ。」




NYのゲイシーンでのクラブ遊びにどっぷりハマって 毎日のように一緒に遊び歩いていた時期に 最終的に酔いつぶれると泣いていた彼を思い出し やっぱり、人にはそれぞれ別の人生があって 自分で自分を幸せにしなければいけないし それは意識の力で変えられるものなんだと実感したころ そろそろ帰ろうかという流れになり、ビーチを後にしました。




帰りのバスに揺られながら デリで買った冷たいお水を飲んでボーっと考えました。 その話は以前に断片的に聞いたことがあったけれど 友達もあまり積極的にその時期の話をしたがらなかったのか タイミングがなかったのか 時系列を追ってきちんと聞いたのはその日が初めてでした。


私は以前、その友人に対して苛つく事がたまにあり それは彼の言うその自分勝手な部分に対するもので お互いのペースが合わない時によくイライラしていたのですが それって私も自分勝手だからなんだよね。 私は一人っ子で育ち 大学を卒業してアメリカに移住するまで 幸か不幸か実家を出たこともなかったし 独立や精神的な成長が遅かった為 自分と他者との概念を理解するのに人より少し、時間がかかりました。


私が相手に対して 「自分の価値観に合わせてほしい」という 「期待」をしていることに気づいて ある時期からその「期待」を 自分の周りの全ての人に意識的に手放すようにしてから 人間関係のストレスはだいぶなくなりました。


それでもイライラしてしまったり 全く別の場所にいると感じるなら とりあえずしばらく少し距離を離せばいいだけの話だし 放っておいて縁があれば、そのうち勝手にまた普通になるというか。 私とその友人に関しては 「自分の価値観に合わせてほしい」という私の中の支配欲のついでに 自分が規則の多い国や環境で育ったので 「そうしたかったけどできなかった自分」に対しての 苛立ち、嫉妬のような感情もあったのだと思います。 (まぁ、十分わがままではありましたが)

他者に関して嫌悪を覚える部分というのは 少なからず、自分もその部分を持っているという事。


家族だったり、恋人だったり、友達だったり 自分と他者との関係は すごく面白い。 自分の思考を読み解くために 他者との関りを通して生じた感情を 自分を知るためのデータとして利用する。


利用するという言葉は聞こえが悪いかもしれないけど 何か嫌なことが人間関係で起こったら 他人の頭の中なんてどうやってものぞけないしコントロールもできないのだから 「相手」はなんでこんな事をしたのか、あんな事を言ったのかを考えても 時間の無駄だと思います。 相手の言動や行動を通して 「自分」がなぜこんな感情になったのかを考える方が 解決に時間もかかるけれど、自分の中の真理が一つ一つ解明していき パズルを解いている時のような快感がすごく楽しかったりします。 今まで他人の事を考える事に費やしていた時間を 自分の事を考えるのに当てるようになりました。


これって恋愛にも言える事だけど 他人の事を考えるという事は そこで自分に都合のいい解釈を思いついて信じこむという事。 それも一つの手なのかもしれませんが それはあくまで自分の勝手な解釈であって 解釈というものはその人数分あると思うんです。 なので、そこには多数決はあっても、正解も真実もありません。 自分に都合のいい解釈というのは 絆創膏のようなものであって 本当に自分の腹に落ちる回答が見つかるまで 同じような問題が手を変え品を変え 人間関係の問題ならば「人」を変え、私には起こってきました。


この概念が頭でなく本当に腹の底に落ちたのはここ最近の話で こんな小さな事ですごく色んなことから解放された気分になったんですね。 なぜ人は、 他人が自分の価値観に合わない事をしていたり 自分と趣味が違うというだけで 自分には直接何の迷惑もかかっていないのに 苛ついたり嫌悪感を覚えるのかというのは 裏を返せば、自分も持ち合わせている 見たくない部分の自分(社会的に押し付けられた概念である場合も多い)であり 同時に他者をコントロールしたい=自分に支配欲があることの象徴なんだと。(あくまで私個人の見解です)


まさか私がそんな感情を持っていたとは! というのも私は 色々な「支配」から逃れて 私の思い描いていた「自由」な生活を経験するために このアメリカという国にやってきたので 常識を重んじる人々に押し付けられてきた 自分にとって恐怖や閉塞感や無価値観を思い出させる 「支配的」という感情を 自分が他人に対して持っているという事を できれば見たくなかったというか むしろ絶対に持っていないと思い込んでいたのです。 その事に気づいて、それを一旦認識(受容)し 意識的にそれを手放していくことで 多かれ少なかれ人間関係のストレスが大幅になくなった事は 私の中での大きな気づきでした。

自己受容のプロセスを踏むという事は 同時に自分の中で封じ込めている 見たくない自分の領域にも向き合うという行為なので 一時は自己嫌悪で自信が底まで落ち 自分自身を回復するのに相当な時間を費やしましたが このからくりに気がついてからは 以前よりもそれをあっさりと作業の一環として受け流せるようになりました。

私は久しぶりに会う友人に対して 彼は私とは違う、彼なりのやり方で自己受容のプロセスを踏んだんだなと感じました。 自分を自分で幸福にすることがいかに一番大切か。 やり方も人それぞれ。 そこに他人の意見はいらないし、他人との比較もいらない。

家に着いて、払いきれなかった砂をシャワーで落とし

一息入れようとお茶を入れようと作業机に座ったとほぼ同時に あんなにいい天気だったのが嘘のように雨が降り出したので なんとなく、今日はもういいや、と 軽くフルーツなんかを食べてから CHET BAKERを聞きながら猫とまったりして



いつもより何時間も早く眠りにつきました。


"TRUTH SERUM" Hand made bottle label (Pen and ink on paper) 2019



REIKO LAUPER

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