不便さと自由さ、どちらを取るか

ブルックリンの僻地、MARINE PARKに引っ越して2か月。 住めば都とはよく言ったもので 近くには駅もなく友達もいないけど 近所はお散歩するのに最高だし お気に入りのスーパーマーケットや魚屋さんもいくつか見つけ それなりに快適に暮らしていますが 日本のものが買えるお店はさすがにこんなエリアにはなく 月に2回ほど、友達に会いがてらマンハッタンまで行ったついでに 必要なものを一気に買ってきます。


私の彼は消防士なので、24時間勤務で家にいない日も多く そんな日はご飯をしっかり作らずに済むため ズボラな私は一人の時は簡単に済ますことが多いのですが 日本人の私には、やっぱり白米。 お米さえ美味しく炊ければ おかずは納豆でもいいし オーガニックの新鮮な卵を買えば卵かけご飯だってできるし 海苔の佃煮だっていいし あとはお味噌汁があれば大丈夫。


私はお米を炊くときに だし昆布と梅干を一粒入れて お水に少しだけお酒を混ぜて炊いています。

高い炊飯器を使わなくても 旅館の朝ごはんで食べるような 美味しいご飯が炊けるよ。

日本から遊びに来た母も ごはんが美味しいとビックリしていました。 このひと手間で、お米の味が数段上がります。


最近よく作るのは かぶの浅漬けもどき。 日本のかぶはなかなか手に入らないので ターニップという少し大きめのアメリカのかぶを使います。 ターニップの皮をむき薄切りにして 塩昆布を適量、お塩の代わりに軽く和えて 平たい容器に入れたら オーガニックのレモンをスライスして数枚上に乗せ 冷蔵庫で一夜漬け。

翌朝にはさっぱりとレモンが香る 白米に合うお漬物に出来上がっています。

私の両親がゆずで作ってくれていたレシピです。


ポン酢も自分で手作り。 お醤油とだし汁でかえしを作ったものでもいいし 濃いめならお醤油のみで

そこにライムやレモンを絞ったものを混ぜて 昆布と鰹節を入れて寝かせます。

次の日から使えるけど 時間がたてばたつほど美味しいから ポン酢はすっかり手作りするようになりました。


魚屋さんでチェリー・ストーンという、大きな蛤を買って スカリオンという青ネギをスーパーで買えば、 蛤の酒蒸しも簡単にできるし

ポーク・ベリーを買ってくれば 圧力鍋で美味しい豚の角煮だってできるし

和食を作ることは私にとって生活の一部ではなく、楽しめる趣味みたいな感じ。




私の好きな、イギリス在住で本などを出版されている方が

不便な場所にあえて身を置く事によって、自分の魂を成長させるためにイギリスに住んでいる

とおっしゃっていたのですが、うんうんと頷いてしまうほど同感。 海外に住んでいても、日本のコミュニティや日系の職場に属せば 日本にいる時と同じような感覚で生活する事もできますが

私は自分に甘えが出てしまうので、あえてそれを拒否する選択をしています。

日本人のお友達と会う時間は、私にとって、リラックスできる特別な楽しみ。 「わざわざ」不便なアメリカに移り住んだのだから 便利さよりも、せっかくなら自分の理想を優先したい

日本に住んでいてもそれができる人もいるとは思うけど、私の様な性格だと ここに住まなかったら、日本の良さにも気づかないまま過ごしていただろうし 今の様な生活はできていなかっただろうし こうして簡単な和食を作ったり、日本語で日記を綴る楽しみすら見つけられなかったかもしれない。

母国語から離れ、日本のように24時間何でも手に入るコンビニもなく

医療費は高く、電車やバスもきっちり時間通りには来ないような場所だけど

目に入るものだったり、空気感だったり、耳に入ってくる音だったり

何年住んでもやっぱりニューヨークが大好き。

ニューヨーク、時々日本 という生活が

私が純粋に日本に恋い焦がれる事のできる、私なりの方法です。

REIKO LAUPER

  • Grey Instagram Icon

Stippling Artist

Graphic Designer